ZONE大畑大介特集を観ていて

前にも一度書いたけれども、ちょうど私がラグビーを観始めたのが、大畑選手があの筋肉番付をきっかけに「大ブレイク」した時期でした。だから、それ以前にラグビーでどんな活躍をしていたのかも知らず、私にとっては、とにかくこの人はラグビー選手の中でも別格で、すごい選手なのだということになっている。
そんな大畑選手は、現在オーストラリアに留学中。
私は、あの選手なら、どんな環境でも難なくこなして頑張っているんだろうな、という様子を想像していました。しかし、テレビに写っていた大畑選手は「こんなはずじゃない」と、自分自身の現在のスキルに不満だらけの表情で、私はそれを見て、驚き、当惑し、そしてまた安心しました。
ひとつは海外にいるのは一種のマスコミ逃れぐらい程度のものとしか私は思っていなかったということに対して。もうひとつは「この人はラグビー選手の中でも別格」という私の印象が間違っていたのではないかということで。そしてさらにもうひとつは、私の仕事での現在の状況にものすごく近いな、ということでした。
世代的に近いから同じような壁にぶつかるのかな。ちょっと上のレベルのものに接するようになってきて、うまくできないことに対する焦り。練習手順を書いた紙をこっそり練習中に、ポケットから取り出してみている光景には、そういうことを感じました。
結構私も最近、「自分はこんなに仕事のできない女だったのか?このまま今の仕事を続けていって、本当にモノになるんだろうか?」と思うことがあって、ずいぶんいろんな人に愚痴っているのだけれども、「こんなはずじゃない」と思う状況はある時期に誰もが経験するのかもしれない。少し経験を積み、それが周りに評価されるようになった(…かどうか、私については、分からないけれども)ところでこういう状況に直面するからそれがまたつらい。「本当はたいしたことない」と思うのも、またそう思う自分も、また、他人にそう思われるのも。ただ、そんな時に、自分の本当の今の実力を正当に自分で評価して、足りないものを身につけることができるかどうかで、それこそ、「モノになるかどうか」が決まるのかもしれないなぁ、と思いました。

ラグビー人気を支える大黒柱に等しい選手と私を一緒にするのもなんだか失礼ではあるけれども、それだから、私と同世代の選手が頑張っているのを見ているのは楽しい。今年の社会人大会以降で、「ラグビー選手の中でも別格で、すごい選手」とはまた違う、それ以上の大畑くんを観たい。